警察の極上プロファイラーが実験と称して私を溺愛してくる
「消印……」
 そんなものが手掛かりになるなんて思いもしなかった。警察ならともかく、一個人がそれを手掛かりにあのマンションにたどりつくなんて。どれだけ執念深く調べたのだろうか。

「お前が会社を辞めるなんて言うから、仕事が増えて大変なんだぞ」
「なんで辞めることを知ってるんですか?」

「課長から聞いたんだ!」
 あの日和見課長が!
 小夜歌はぐっと唇を噛んだ。

「アパートからはいなくなるし、お前を探すために仕事を何日も休む羽目になったんだ。わかってんのか!?」
「……すみません」

「それからな」
 スイッチが入ったかのように浦岡の説教が始まる。

 小夜歌はすみませんと謝り続け、あてどもなく車を走らせる。
 何度目かの信号で、パトカーに遭遇した。浦岡の指示で逃げるように右折をしてパトカーから離れる。パトカーは追ってくることがなかった。

 しばらく走るとまたパトカーがいて、浦岡に言われるままハンドルを切る。
 なんかパトカーが多い気がする。
 思う間にもまたパトカーが現れ、小夜歌は逃げるように車を走らせる。

 中央分離帯で区切られた車線に出た。片側二車線のうち、小夜歌は左車線を走る。
 車通りは少ないのに、気がつくと前後を黒い車に挟まれていた。その横に、さらに一台の黒い車が来た。なんだか閉じ込められた気分になり、落ち着かない。

 前の車がスピードを落とすから、小夜歌もスピードを落とした。
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