警察の極上プロファイラーが実験と称して私を溺愛してくる
「なんだよ、どけよ!」
 いらいらいと浦岡が怒鳴る。

「隣の車線に行け!」
「でも車がいて」
 なぜか隣の車もスピードを落としている。

「行けって言ってんだろ!」
「無理よ」
 右に寄せたらぶつかるのだから、そんなことできるわけがない。

「逆らうのかよ!」
 浦岡がハンドルに手を伸ばし、急に右に切る。
 黒い車が視界一杯に迫り、助手席の男性の驚いた顔が見えた。

「きゃああ!」
 小夜歌は悲鳴を上げ、ブレーキを踏みながら左に切り直す。
 車は黒い車にぶつかったあと、左側のガードレールにぶつかった。衝撃に体をゆさぶられる。
 エアバッグが作動し、視界が真っ白になった。

「なんだよ、くそ!」
 浦岡がシートベルトをはずして車を降りるのが見えた。
 小夜歌もシートベルトをはずし、よろよろと車を降り、地面にへたりこむ。なんとか無事であることにホッとした。

 すかさず浦岡が来て小夜歌の腕を捕まえた。
 絶望する彼女の目に、黒い車が取り囲むように止まっているのが見えた。
 目の前で事故を起こしたのだから、驚いて止まったのだろう。
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