警察の極上プロファイラーが実験と称して私を溺愛してくる
 そう思っていると、黒い車の屋根から一斉にパトランプが現れた。
 覆面パトカーだったの!?
 驚く彼女の前に、次々とスーツの男性が降りて来て取り囲む。
 その中には、真玄の姿も平世の姿もあった。

「どうして……」
 思わず呟き、彼を見つめる。
 目が合うと、彼女を見て頷いた。
 助けに来たぞ。
 そう言われているようで、小夜歌の目に涙が浮かぶ。

 真玄が先頭に立つと、浦岡はナイフを小夜歌の喉につきつけた。

「こいつを殺されたくなければ車をよこせ!」
「絶対に殺させない」
 真玄は目だけで殺しそうな視線を浦岡に突き刺す。
「要求は車だけか? 事故を起こしたようだがケガはないか?」

 浦岡はそれに構わず怒鳴る。
「とにかく車だ!」

「わかった、手配しよう。だが、時間がかかる」
「そこのやつをよこせ!」

「さすがにパトカーは渡せないな。それより救急車を手配しようか」
「いらねえよ!」

「食料は? 喉は乾いてないか?」
 時間を稼いでいるのだろうか。小夜歌は黙ってなりゆきを眺める。なにかあればすぐに動けるように気をつけながら。
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