警察の極上プロファイラーが実験と称して私を溺愛してくる
「あとはまあ、君の見た通り」
「すごい……」

「俺にはこういうやり方しかできない。前後を車で挟んでゆっくり停車させる予定だったんだが、浦岡の行動を読みきれなかった。時間が掛かった上に、結局は君を危険にさらした。申し訳ない」
「そんなことない。すごいよ。ありがとう、助けに来てくれて」

 小夜歌が潤んだ目で真玄を見上げると、彼にぎゅっと抱きしめられた。
 小夜歌はしがみつくように彼を抱きしめ返す。
 応援のパトカーが次々に到着し、辺り一帯は赤い光で満たされた。





 小夜歌はパトカーに乗り、県警本部へと連れられた。
 一日に三回も来ることになるとは、昨日までは思っても見なかった。

 取り調べ室で事件担当の刑事の聴取を受け、それを終えると真玄が現れて刑事は部屋を出て行った。
 彼は二本のあたたかな缶コーヒーを手にしていて、小夜歌に一本を渡す。

「ありがとう。……でも、こういうのダメなんじゃなかったっけ?」
「細かいことを言うな」
「最初に細かかったのはあなたなのに」
 小夜歌は苦笑してタブを開けて飲んだ。彼も開封して飲む。

「今日は本当にありがとう」
「こんな危険な目に遭わせるつもりはなかった。申し訳ない」

「ううん。あなたがいてくれなかったら、私、どうなってたか……」
 浦岡は感情的になっていて、小夜歌の目にも危険な状態に見えた。少し均衡が崩れただけで凶行に及んだことだろう。

「もう少し浦岡の情報があればもっと別の対応ができたんだが……通り魔事件があって浦岡を調べる時間がとれなかった。いや、これは言い訳か」
「警察官なんだから、事件捜査を優先するのは当然でしょ?」
「だが」
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