警察の極上プロファイラーが実験と称して私を溺愛してくる
 正義の鉄槌を下し続け、世間の目を覚まさせてやる、とそう思っていた。
 二件、三件、と合計五件を続け、都内ではパトロールが強化されてやりにくくなった。

 だから隣の市にまででかけて女性を襲った。
 殺す必要はない、警告でいいのだ。男を差別する女たちに警告を与え、平等をわからせるだけでいい。手元が狂って重傷を負わせたことがあるが、重傷のほうが世間を騒がすことができていいな、と思った。

 俺の正義の行いを、赤の他人の成果にされてたまるものか。
『捕まった男は偽物だ。正義は死なない。愚かな女どもには次の鉄槌が下るだろう』
 彼は掲示板にそう書きこんだ。





 次に女性を襲う場所は目星をつけてあった。
 雲雀ヶ丘市の郊外、そこは駅から徒歩十分のところに静かな住宅街が広がっている。

 車を公園横の広い道路に止め、ナイフを持って待つ。
 このナイフはネットで買ったものだ。彼は趣味でナイフを集めていたが、正義の鉄槌を下すのにちょうどいいと思って使っていた。

 仕事帰りらしいサラリーマンが歩いていく。
 その姿を見送ったあと、パンツスーツを着た背の低い女が歩いてくるのが見えた。

 こいつにしよう。
 車を降りて、跡をつける。

 早足で女に近づき、ナイフを振り上げたときだった。
「動くな!」
 男の声がして、数人がばらばらと飛び出して来た。
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