眠りの令嬢と筆頭魔術師の一途な執着愛
「おい、もっと自信持てよ。誰がどう見たってお前たちは気持ち悪いほどのラブラブは夫婦なんだから。それに、今一番不安なのはローラなんじゃないのか」

 最後の言葉に、ヴェルデはハッとして顔をあげ、フェインを見た。

「エルヴィン殿下の子供を産んだイライザとか言うクソ女とその息子、そして末裔たちはずっとずっとローラを逆恨みして命を狙ってるんだ。それをエルヴィン殿下にそっくりな奴に告げられて正常でいられると思うか?きっと不安でしょうがいないだろ。それなのに、一番頼りたい人間がこんなじゃ、ローラは一体どうすればいいんだよ。一人で耐えろって言うのか?ふざけんなよ。お前はどんな時でもローラを守るって約束したんだろ、だったらこんなことしてる場合じゃないだろが」

 フェインの言葉を聞きながら、ヴェルデは両目を見開いて自分の服の胸元をぎゅっと握り締めいていた。そうだ、自分はローラをどんな時でも守ると、そして幸せにすると約束したのだ。

パァン!

 ヴェルデは自分の両頬を両手で思い切り叩いた。

「ありがとう、フェイン。目が覚めた。俺は本当に馬鹿だ」

 真剣な眼差しで前を見つめそう言うヴェルデを、フェインはやれやれと言った顔で嬉しそうに眺めていた。


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