眠りの令嬢と筆頭魔術師の一途な執着愛
「いいか、お前にだって過去はある。生きてりゃ誰にだって過去も現在も未来もあるんだよ。彼女に執着するのは仕方ないにしても、彼女の過去を毛嫌いして否定するのは彼女自身を否定するのと同じことだと俺は思う。否定するならエルヴィン殿下本体だけにしろ。イヴはエルヴィン殿下じゃない。それだけはちゃんとわかっとけよ」
フェインにそう言われたヴェルデは、脱力したようにフェインを見つめていたが、いつの間にか笑っていた。
「ははは、はは……そう、だな」
項垂れながら両手で顔を覆い、ヴェルデは少しうめいた。
「俺は、俺はローラがそのうちイヴに惹かれてしまうんじゃないかと怖いんだ。エルヴィン殿下にそっくりなのにエルヴィン殿下とは全く違う優しいイヴに、ローラが奪われてしまいそうで、怖い……」
そう言って微かに震えているヴェルデの横に、フェインは静かに座った。
「そんなこと絶対起こらない、とは言い切れないかもだけど、お前はローラと一緒に過ごした今までの時間が無駄だと思うのか?ローラがお前に向けてる気持ちを信じてやれよ。そんなに簡単に奪われてしまうほどの絆だったのかお前たちは」
「……違う、と思いたい」
フェインにそう言われたヴェルデは、脱力したようにフェインを見つめていたが、いつの間にか笑っていた。
「ははは、はは……そう、だな」
項垂れながら両手で顔を覆い、ヴェルデは少しうめいた。
「俺は、俺はローラがそのうちイヴに惹かれてしまうんじゃないかと怖いんだ。エルヴィン殿下にそっくりなのにエルヴィン殿下とは全く違う優しいイヴに、ローラが奪われてしまいそうで、怖い……」
そう言って微かに震えているヴェルデの横に、フェインは静かに座った。
「そんなこと絶対起こらない、とは言い切れないかもだけど、お前はローラと一緒に過ごした今までの時間が無駄だと思うのか?ローラがお前に向けてる気持ちを信じてやれよ。そんなに簡単に奪われてしまうほどの絆だったのかお前たちは」
「……違う、と思いたい」