眠りの令嬢と筆頭魔術師の一途な執着愛
 ローラが悲しげに聞くと、ヴェルデは返答に困る。

「私が、イヴに対して困って中途半端な反応をしてしまったから、ヴェルデ様も困ってしまったんだと思います。半分は私のせいでもあるんですから、むしろ私もヴェルデ様に謝らなきゃいけないです」

 そっと目を伏せてローラは静かにそう言うと、ヴェルデはローラの片手をそっと取った。

「俺は、イヴにローラを取られてしまうんじゃないかって不安だったんだ。エルヴィン殿下にそっくりなイブに、そっくりなのに性格は真逆で優しいイヴに、ローラは心惹かれてしまうんじゃないかって……本当は今でも不安なんだ」

 ヴェルデはそう言ってローラの手を優しく握る。

「でも、今一番不安なのはローラ、君なんだよね。俺はローラを絶対に幸せにするし守ると決めた。そうローラにも言った。それなのに、自分のことしか考えていなかった。こんなんじゃダメだよな。本当に、ごめん」

 ローラの手を自分の額に当て、ヴェルデは俯く。本当は今すぐにでもローラを抱きしめたい。でも、今の自分にはその資格がない気がして、手に触れることが精一杯だった。

「ヴェルデ様のこと、そんなに不安にさせてしまってたんですね。私の方こそダメダメです。私はヴェルデ様と一緒になると決めた時、ヴェルデ様にはいつだって笑っていてほしい、幸せでいてほしいと思ったんです。それなのに、こうしてまた不安にさせてしまっている」

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