眠りの令嬢と筆頭魔術師の一途な執着愛

38 愛

「ローラ、入ってもいいかな」

 ヴェルデの声がして、ローラは心が躍る。入っていいも何も、ここはヴェルデの寝室でもあるのだ。ローラは小走りでドアの前まで来てドアを開ける。

「ヴェルデ様!」

 ローラに嬉しそうにキラキラとした瞳を向けられてヴェルデは一瞬面食らうが、すぐに困ったように微笑んだ。ヴェルデは部屋に入ると、部屋の真ん中まで来て振り返りローラを見つめる。その顔は真剣そのものでローラの胸はざわついた。

「ローラ、日中は本当にすまなかった。我を忘れてあんなこと……それに、俺の前に現れるな、だなんて酷いことも言った。本当にごめん」

 深くお辞儀をしてヴェルデは謝る。なかなか頭を上げようとしないヴェルデに、ローラは優しく手を伸ばした。

「ヴェルデ様、そんなに謝らないでください。こうやって会いにきてくださって私は嬉しいですよ」

 ヴェルデが静かに頭を上げると、ローラはまた嬉しそうに微笑んだ。その微笑みを見て、ヴェルデの心は一気に軽くなる。

「こんな俺のこと、許してくれる?」
「許すも何も、別に私は怒ってません。それに、あんな風になってしまったのはきっと……私のせいでもあるのですよね?」

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