眠りの令嬢と筆頭魔術師の一途な執着愛
 ローラの言葉に、イヴの兄の一人が顔をゆがませた。

「解放されてほしい?だったら今ここで死んでくれよ。あんたが死んでくれれば俺たちは解放される。あんたのせいで俺たちの先祖がどれだけ悲惨な思いをして暮らしてきたと思う?俺たちもだよ。本来なら王家でぬくぬくと幸せに暮らせたはずなのに、地面を這いつくばってなんとか生きてる。あんたさえいなければこんなみじめな生き方はしなくて済んだんだ」

「ローラのせいだ?ふざけるな、お前たちの先祖の自業自得だろ!お前たちだってその呪縛から逃れてきちんと自分を生きていればもっと違う、新しい世界があったかもしれないのに、それをしなかっただけだろ!ローラが目覚める前も、目覚めた後もどれだけの絶望を抱えて生きていたと思うんだ!」

 ヴェルデが怒号を飛ばす。

「ローラ、やっぱり話をしても無駄だったろ。まともなのはイヴだけだ。こんな奴ら今ここで駆逐した方がいい」

 パチッと火花が飛び、ヴェルデの周りに魔力が浮かび上がる。一触即発かと思ったその時。

「ははは、相変わらずすごい魔力ですね、ヴェルデ」

 突然、イヴの兄たちの背後から聞き慣れない声がした。

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