眠りの令嬢と筆頭魔術師の一途な執着愛

41 再会

「ははは、相変わらずすごい魔力ですね、ヴェルデ」

 突然聞き慣れない声がして、イヴの兄たちの背後からローラの見知らぬ男が現れた。

 少し長めの黒髪を後ろで束ねた琥珀色の瞳の男。一見優しそうに見えるがなんとなく嫌な雰囲気を醸し出していて、ローラは思わずヴェルデの後ろに隠れる。

「クロー……!お前、なぜここにいる」

 ヴェルデの知り合いなのだろうか。ヴェルデは一瞬驚き、すぐに眉間に皺を寄せた。

「あんな男、イヴの兄たちを調べていた時には一度もいなかったし気配すらなかったぞ」

 フェインがそう言うと、クローはフェインを見て目を細めた。

< 143 / 190 >

この作品をシェア

pagetop