眠りの令嬢と筆頭魔術師の一途な執着愛
「俺は第一王子としてローラ嬢を歓迎している。どうか皆も、疑う心を無くしてローラ嬢を歓迎してほしい」

 ガレスの一声に、会場内の拍手はさらに大きくなる。ガレスは満足そうにローラとヴェルデを見て、二人も嬉しそうに微笑み返した。

「で、ですが!やはり今後も筆頭魔術師殿の奥様を狙う輩が湧き出てくるのは事実なのでしょう。それについてどうするおつもりですか」

 貴族の一人が、大きな声を上げた。

「それについては心配ない。そんな奴ら、俺が片っ端から潰す。ローラに指一本触れさせないし、この国で勝手な真似は絶対にさせない。この国の筆頭魔術師の名にかけて誓おう。それで文句はないだろう?他にもまだ何かあるか?」

 ヴェルデは異常なほどの殺気を纏いながら、地を這うような声で貴族へ言う。貴族の男はその気迫に青ざめ、腰を抜かした。会場内もヴェルデの気迫に恐れをなしてシーンとなる。ただし令嬢たちだけは、ヴェルデとローラの関係に目を輝かせうっとりとしていた。

「よし、これで何も問題ないだろう。この話はこれで終わりだ。これ以上この話をまた持ち出そうとする人間はこの国の第一王子である俺が許さない。王にもしっかりと伝えておく。覚えておけよ」

 
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