ロマンスに心酔



ふと意識が戻ってくる。


「(ん、あれ、ねてた⋯⋯)」


おでこに貼られた冷えピタはまだ冷たい。


「ん⋯⋯」


いま何時だろう、ときょろきょろしていると、せんぱいがドアからひょこっと顔を出した。


「あ、起きた?買ってきたもの冷蔵庫に入れといたから、食べれそうだったら食べて」


「あ、りがと、ございます」


「心配だから、仕事終わったら様子見に来る」


「すみ、ません⋯⋯」


「いっぱい寝なよ。じゃ、いってきます」


「がんば、て、くだ、さい」


「ん、ありがと」


手を振ってくれたので振り返す。

ドアが閉まる音が聞こえて、それが何だかさびしい。

誤魔化すように目を閉じると、いつの間にか眠りに落ちていた。

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