ロマンスに心酔



いつも通りエントランスで待ち合わせをして、駐車場に向かう。


「あした外で食べるから、きょうは家でいい?」


「もちろんです!」


あしたは、せんぱいが前々から予約してくれていたディナーに行く予定。

レストランは一緒に選んだ。

ローストビーフがおいしそうで、夜景を眺めながら食事ができるとってもおしゃれな場所。

そんな高級なところに行くのは初めてだから緊張するけど、とても楽しみだ。


「お邪魔します」


「おかえり」


「ふふ、ただいまです」


いつもせんぱいは、おかえり、と声をかけてくれる。

最初はなかなか慣れなかったけれど、しばらく経つと自然に、ただいま、と言えるようになった。


玄関の棚には、ライブに行った日からアンノンのラババンが飾られている。

お家の雰囲気にはあまり合っていないけれど、見る度ににこにこしてしまう。

せんぱいの家にわたしの欠片が残されていくのがうれしい。

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