ロマンスに心酔
───「お待たせ。大丈夫?じゃないよな」
しばらくして聞こえてきた声は、いつも通りやさしかった。
「あ、せ、んぱい⋯⋯、あ、りがとう、ございます、すみません⋯⋯」
「ぜんぜん大丈夫だから、泣かないで。大丈夫だよ」
弱っている身体にせんぱいはだめだ。涙が止まらない。
せんぱいが目線を合わせるようにしゃがみこんで、頭を撫でてくれる。
その手の温かさに、ますますあふれてくる。
「ふ、号泣じゃん。弱ってんなー」
「うー⋯⋯め、いわく、っかけて、ごめんなさ、い、っ」
「大丈夫。とりあえずはやく帰ろ。車までいける?」
こくりと頷いて、ゆっくり立ち上がる。
せんぱいが荷物を持ってくれて、身体を支えながら歩いてくれた。
「後ろ座る?寝転んだ方が楽でしょ」
「あ、りがと、ございます」
せんぱいが後部座席のドアを開けてくれる。
ゆっくりと乗り込み、お言葉に甘えてそのままごろんと寝転がった。