御曹司様、あなたの子ではありません!~双子がパパそっくりで隠し子になりませんでした~
紅葉がバッグの中からバケツやシャベルなどの砂遊びセットを取り出す。こういうところ、本当に用意周到で感心する。
ふたりはきゃっきゃと巨大なお砂場を相手に遊び始めた。私と紅葉はその脇にシートを敷き、腰を下ろして見守る。
「ねえ楓」
ふとあらたまって紅葉が切り出してきたので、私は「なに」と首を傾げた。
「ここって、皇樹さんと来てた場所だよね」
……彼の口からまさかその名前が飛び出すとは思わず沈黙した。皇樹さんは私の許嫁。家族ぐるみの付き合いで、当然紅葉も面識がある。
「大学くらいのとき、話してたじゃん。海辺をデートしたって、嬉しそうに」
「そうだっけ」
「ねえ。あのふたりは皇樹さんの子どもだよね?」
突然鋭く切り込んできた紅葉に、うまく反応できなくて戸惑う。
「……どうして、皇樹さんの子どもだと思うの?」
「いやだって、ふたりを見てればわかるでしょ。とくに柚希。小さい頃の皇樹さんにそっくりじゃん。そもそも奥手な楓が、ほかの男とほいほい妊娠とかありえないし。……男に襲われたとか、そういうんじゃなければ」
「……襲われたとかではないから安心して」
「じゃあやっぱり、皇樹さんだ」
ふたりはきゃっきゃと巨大なお砂場を相手に遊び始めた。私と紅葉はその脇にシートを敷き、腰を下ろして見守る。
「ねえ楓」
ふとあらたまって紅葉が切り出してきたので、私は「なに」と首を傾げた。
「ここって、皇樹さんと来てた場所だよね」
……彼の口からまさかその名前が飛び出すとは思わず沈黙した。皇樹さんは私の許嫁。家族ぐるみの付き合いで、当然紅葉も面識がある。
「大学くらいのとき、話してたじゃん。海辺をデートしたって、嬉しそうに」
「そうだっけ」
「ねえ。あのふたりは皇樹さんの子どもだよね?」
突然鋭く切り込んできた紅葉に、うまく反応できなくて戸惑う。
「……どうして、皇樹さんの子どもだと思うの?」
「いやだって、ふたりを見てればわかるでしょ。とくに柚希。小さい頃の皇樹さんにそっくりじゃん。そもそも奥手な楓が、ほかの男とほいほい妊娠とかありえないし。……男に襲われたとか、そういうんじゃなければ」
「……襲われたとかではないから安心して」
「じゃあやっぱり、皇樹さんだ」