ワケありニートな年下ワンコを飼いました
願ってはいけないこと
 ガクくんと過ごす年末年始は、本当に楽しい。

 一緒に買い出しへ行ったり、窓拭きをしたり、お風呂掃除をしたり。ふたりで協力しながら、年越しの準備をした。

 そして大晦日は、栗きんとん作りにチャレンジ。ガクくんが隣で丁寧に教えてくれて、失敗せずにできたのが、すごく嬉しかった。

 私の不器用さを見ても、ガクくんはまったくイライラしない。「やっぱりポンコツさんだなぁ」とニコニコ笑うだけ。

「僕にも苦手なことはあるし、自分ができるからって相手もできて当然なんて思いませんよ。彩女さんだって、そうじゃないですか」

 確かにそうなんだけど、私の不器用さは常軌を逸しているから、呆れられると思っていた。

 だけどガクくんは、そういう私を「かわいい」と言ってくれる。いままでは、お世辞だろうと流していたけれど、最近は妙に愛情なようなものを感じるというか……。

 いやいや、図に乗ったらダメよ。絶対、そんなに深い意味はないはずだから。
 そう思いつつも、彼の言葉に喜んでいる自分がいた。

 そしてガクくんお手製のおせちは、驚くほど本格的だった。まるで料亭のおせちのようで、本人も満足の出来だったみたい。普段はスマホのカメラをまったく使わない私も、思わず写真に収めてしまった。
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