ワケありニートな年下ワンコを飼いました
 そんな中でガクくんと出会えたのは、本当に奇跡だと思う。運命の恋人というわけではないけれど、私の生活を大きく変えてくれたから。

 でも、そのことを実感すればするほど、胸の奥がざわつくのはどうしてなんだろう。このところ、自分の感情がよく分からない。
 
 私はどうして結婚したくないのかな。
 他人と暮らすのが嫌だから……というのは違う。だって、ガクくんとの生活は楽しいもの。

 子どもを持たなくていい、キャリアも中断する必要がない。もしそういう相手がいれば、結婚してもいい?
 分からない。そもそも結婚ってなに? どうして結婚するの?

 ガクくんの冷めたつぶやきを思い出す。結婚って、なんの意味があるのか。その問いに対する答えは、私も知らない。

 結婚観を語る井上さんが、とても眩しい。未来に希望を抱いて、力強く進んでいこうとする姿が、なんだか羨ましく感じた。

「上條さんとお話するの、すごく楽しかったです。また一緒に、ランチ行きましょうね!」
「もちろん、いつでも大歓迎よ」

 1時間ちょっとのランチで、たくさんおしゃべりをした。井上さんと、こんなにくだけた話をしたのは初めてだわ。

 彼女は明るくて前向きでとても魅力的な女性だから、きっと素敵な相手が現れるでしょうね。結婚も仕事も全部諦めない姿勢は、素直に応援したくなった。
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