ワケありニートな年下ワンコを飼いました
「丸の内の本屋へ行ったんですけど、このあたりにいたら、すぐ合流できるかなぁと思って。気持ちいいなー彩女さんとお散歩したいなーなんて考えていたら、電話がかかってきたんです」
「私も、ガクくんと散歩したいなと思ったの」
「それじゃ、歩きましょー!」

 ガクくんが、私の手を取って歩き出す。

 結婚とか恋愛とか、よく分からない。それに対する自分の気持ちも。だけど、ガクくんと手をつなぐのは好き。これは、はっきり分かる。

「一応手袋も持ってきてはいるんですけど、必要なかったかなぁ。めちゃくちゃ暖かくて気持ちいいですね」
「ピクニックしたくなる陽気よね」
「ピクニック! いいですね、それ! もう少し暖かくなったら、お弁当作って行きましょうよ」

 寒さの底はこれからだし、日中暖かくなるまで、あと2か月はかかる。先の話をしてくれると、まだまだ一緒にいていいという意味に思えて、すごく嬉しい。

「やっぱり、サンドイッチは鉄板ですよねー。いろんな具材のを作ろうっと」
「たまごサンドと、BLTサンドと、カツサンドと……あとは?」
「フィッシュサンドとかーチキンサンドとかー……フルーツサンドもいいですね!」
 
 ピクニックになにを作っていくのか考えながら、ふたりで芝公園をのんびり歩く。なんて幸せな時間なのかしら。
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