ワケありニートな年下ワンコを飼いました
「……ごめんなさい」
「えぇ! まさかの、ごめんなさい?」
「あ、ち、違うの! 断る『ごめんなさい』じゃなくて」

 もうすれ違わないように、ちゃんと説明しなくちゃ。
 そう、PREP法よ。まず結論から。仕事ではいつもそうしているし、同じようにやれば伝わるはず。

「えっと、結論から言うと、その……私も、ガクくんと恋人として一緒にいたい……です。ガクくんのことが、大好きだから」
「本当ですか?」
「うん。ガクくんといると、すごく落ち着くの。いつも温かくて、ふわっとしていて……羽毛布団みたいだなって」
「あはは、羽毛布団って」

 そうやって無邪気に笑うところも、本当に大好き。とても感情表現が豊かなのよね。
 少し安心したのか、ガクくんは足を崩して、またローズヒップティーをひと口飲んだ。

「謝ったのは、ずっと気持ちを伝えてくれていたのに、見ないふりをしてごめんなさいっていう意味。私、結婚したくないからって、恋愛自体を遠ざけていて……」
「そういえば、彩女さんから好きって言われたことないですもんね。やたらと年齢のことを言うし。はぁ~……この2か月間、僕だけが恋人気分だったなんて……結構ショック」

 今度は、しょんぼりとうなだれる。
 申し訳ない気持ちでいっぱいになって、小さくなったガクくんの体を思いきり抱きしめた。
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