ワケありニートな年下ワンコを飼いました
心の傷を完全に癒すことはできないけれど、こうして一緒にいることで感情を解放させてあげたい。わがままも、いっぱい言ってほしい。力の限りを尽くして、彼が望む愛情をたくさん注ぎたいと思った。
「……ありがとうございます」
「うん?」
「彩女さんには、たくさん『ありがとう』を言いたいんです。僕の料理を、いつも美味しいと言って食べてくれるでしょ。いままで褒められたことがないから、すごく嬉しくて」
そうだったのね。初めて夕食を作ってくれたときに涙を見せたのは、自分を認めてもらえた嬉しさからだったんだ。
「彩女さんは、掃除の仕方が綺麗だと褒めてくれる。僕が風邪を引いちゃったら、苦手なくせに一生懸命看病しようとしてくれる。それに……」
背中に回されたガクくんの手に、力が込められる。
「何者でもない僕を、好きだと言ってくれた。だから僕は……幸せです」
……涙声でそんなことを言われて、耐えられるわけないじゃない。一気に目の前が滲んできた。
「私も幸せだよ。ガクくんと出会えたから」
ふたりで鼻をすすりながら、強く強く抱き合う。
肩書きや過去なんて、なにも関係ない。いまの「武内雅空」を好きになったんだから。
もうひとりじゃない。ひとりにはさせない。そんな想いを込めながら、私はガクくんの柔らかい髪を撫で続けた。
「……ありがとうございます」
「うん?」
「彩女さんには、たくさん『ありがとう』を言いたいんです。僕の料理を、いつも美味しいと言って食べてくれるでしょ。いままで褒められたことがないから、すごく嬉しくて」
そうだったのね。初めて夕食を作ってくれたときに涙を見せたのは、自分を認めてもらえた嬉しさからだったんだ。
「彩女さんは、掃除の仕方が綺麗だと褒めてくれる。僕が風邪を引いちゃったら、苦手なくせに一生懸命看病しようとしてくれる。それに……」
背中に回されたガクくんの手に、力が込められる。
「何者でもない僕を、好きだと言ってくれた。だから僕は……幸せです」
……涙声でそんなことを言われて、耐えられるわけないじゃない。一気に目の前が滲んできた。
「私も幸せだよ。ガクくんと出会えたから」
ふたりで鼻をすすりながら、強く強く抱き合う。
肩書きや過去なんて、なにも関係ない。いまの「武内雅空」を好きになったんだから。
もうひとりじゃない。ひとりにはさせない。そんな想いを込めながら、私はガクくんの柔らかい髪を撫で続けた。