ワケありニートな年下ワンコを飼いました
 そして子育てのために長時間労働がしにくいから、賃金格差が出てしまうのも事実。結婚する気はない、子どもはいらないと言ったとしても、それを信じる人がどれだけいるのか。心変わりすることがないなんて、断言できないもの。

 アメリカでもそうなんだから、日本だとなおさら。
 現にいまの仕事でも「女で大丈夫なのか?」という態度のクライアントはいた。しかもまだ若いからと馬鹿にして、こちらを試すような物言いをする。

 だけど私は、そういう人を結果で黙らせるのが好きなのよね。

「簡単な道じゃないからこそ、そこを進みたいんだろう?」

 マドレーヌを飲み込んで、父が静かな声で言った。

「昔から彩女はそうだった。楽な道を選ばずに、困難が多いほうを進む。それで失敗しても、絶対に折れない。だからアメリカの難関大学にも合格できて、入社するのが難しい会社でも活躍しているんだと思う」

 思えば子どものころから、父は私のやることにほとんど口を出してこなかった。ただ、アメリカの大学へ行きたいと伝えると、さすがに「女の子だから心配」とこぼした。

 それは父親として当たり前のこと。それなのに私は、自分を縛りつける言葉のように受け取ってしまったんだ。なんて浅はかなんだろう。
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