ワケありニートな年下ワンコを飼いました
「親が子どもを心配するのも、そんな親を子どもが鬱陶しく思うのも、当たり前のことでしょう。親子ってそういうものなんだから、いちいち謝る必要なんてないの。子どもがどんな道を選んでもね、信頼しながら心配するのが親なのよ」

 そっか。心配するのは信頼していないからじゃなくて、親だから。ただ、それだけのことなんだ。私が勝手に複雑な解釈をしていただけで、実はとても単純なことだった。

 親の心子知らずとは、よく言ったものね。ああもう、私は本当に馬鹿な娘だわ。

「でも、お母さんも悪かったわ。結婚なんて単語を簡単に出しすぎたから、真面目な彩女は真に受けて悩んじゃったんでしょ。ごめんね」
「う、ううん。私が勝手に思い込みすぎていただけで……」
「それじゃあ、お互い様だな」

 父が優しく言った。

「遠慮やいろいろな思いがあって、これまでは本音の話し合いができなかったんだろう。だけど、もう遠慮なんてする必要はない。彩女は、自分が幸せだと思う道を選べばいいんだよ」
「そうよ。私もお父さんも、心配しながら精一杯応援するから」

 両親は、ずっとずっと応援してくれていたのね。ふたりの気持ちを勝手に決めつけて、正面から話すことを避けてきたのを、とても後悔した。
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