ワケありニートな年下ワンコを飼いました
 寂しがり屋で、甘えん坊で、笑顔がとびきりかわいくて、とっても愛しい私の恋人。彼を愛するために、自分は生まれてきたとさえ思える。

 こんな幸せを私に与えてくれて、ありがとう。
 ガクくんと一緒に果てながら、体中に温かいものが広がるのを感じていた。

「今日、やばかったぁ……もうシャワーは明日……」

 呼吸が落ち着いてきたタイミングで、ガクくんが呟くように言った。

「なんだろう……気持ちが通じ合っているからですかね?」
「うん、きっとそうだよ」

 抱き合ったまま、ふわふわの髪を撫でる。
 年末に美容室へ行ったようだけど、また少し伸びたかな。ガクくんはもともと色素が薄いらしくて地毛も茶色いから、カラーリングの境目はあまり目立たない。

「……僕、そのうちハゲますよ」
「なぁに、突然」
「父親の家系、頭薄い人が多いんです。だからきっと、僕も中年になったらハゲます」
「ふふ。そうなっても、ずっと撫でてあげるよ」
 
 ガクくんが私の胸に顔をうずめて、頬ずりしてきた。

 年を重ねたら、外見が変わるのは当たり前。そこまで長い時間を一緒に過ごした証なんだから。たとえ太っても頭が薄くなっても、ずっと隣にいてほしい。

「ガクくんの居場所は……ここにあるからね」

 背中に回されたガクくんの腕に、力がこもる。
 そのまましばらくまどろんで、ふたり一緒に夢の世界へと落ちていった。
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