ワケありニートな年下ワンコを飼いました
 これまでの恋人には感じなかったこと。そしてガクくんには感じていること。

 それは、癒しと安らぎ。頑張らずに、そのままの自分でいいと思える安心感だった。

 自分でも納得だわ。私はとにかく仕事でエネルギーを消費しているから、プライベートな時間を一緒に過ごすパートナーは、リラックスできる人じゃないと休まらないもの。

 だけど過去の恋人たちの前では、あまり気が抜けなかったのよね。こんなに心を許せるのは、ガクくんが初めてだった。

「ガクくんにしかない魅力があるんだから、変なこと気にしないでいいのよ」

 手を強く握りながら言うと、ガクくんが子犬のような瞳を向けてきた。

「僕にしかない魅力って、例えばなんですか?」
「うーん……天然の癒しオーラとか」
「えー、そんなの初めて言われましたよぉ」

 あ、照れた。こういうところが、とってもかわいい。

「僕に癒しの力があるのなら、きっと彩女さんだけに効果を発揮するんでしょうね。専属ですから!」
「ふふ、そうね」

 これから先もずっと、私専属でいてほしい。そんなふうに思いながら帰宅した。

 好きな人と同じ家に帰るっていいな。もしかして、結婚ってそのためにするものなの?
 でも別に、結婚しなくても一緒には住めるし。人はどうして、結婚したいと思うのかな。
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