ワケありニートな年下ワンコを飼いました
 ……やめよう。こういうことを考えだすと、また無言になってしまうから。せっかくの週末なんだし、ガクくんと楽しい会話をして過ごそう。

「髪から同じ香りがするって、なんかいいですよねぇ」

 お風呂に入ったあと、私の髪をドライヤーで乾かしながらガクくんが言った。
 一緒に入浴して、お互いの髪を乾かして、リビングのソファでゆっくりとハーブティーを飲む。ここ最近、週末はいつもこんな感じ。

 どれだけ仕事で疲れていても、この穏やかな時間のおかげで癒される。

「ラベンダーとレモンバームと、カモミールをブレンドしてみました~」

 今日は、ガクくん特製ブレンドのハーブティー。私にとってブレンドはハードルが高いけれど、ガクくんはいつも美味しい組み合わせを選んで淹れてくれる。
 
「あぁ、いい香り」
「でしょ? ぐっすり眠れますよ」
 
 ここのところ睡眠の質がいいように感じるのは、確実に彼のおかげね。
 
 何度か息を吹きかけてハーブティーを飲もうとしたところで、ガクくんのスマホが鳴った。
 慌てて画面を見た彼の表情が、すぐ落胆の色に染まる。そしてばつが悪そうに、苦笑しながら頬をかいた。

「えっと、小説サイトの通知でした」
「……まだ、連絡はこないの?」

 私の質問に、ガクくんは少し寂しそうな表情で頷く。
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