ワケありニートな年下ワンコを飼いました
私たちだけの道
「ふふ、かわいい」

 ガクくんから送られてきた写真を見て、思わず頬が緩む。
 悠くん、莉麻ちゃんと一緒に自撮りした写真からは、約半年ぶりに会った嬉しさが伝わってきた。そしてぱっと見の雰囲気は、みんなよく似ているわね。

 MISTEROでの出来事から1週間後の土曜日。ガクくんはいま、久しぶりに実家へ帰っている。家族に食事を作りに行くと言って出かける姿は、とても嬉しそうだった。
 
 涼介さんの計らいで仕事を休ませてもらって、今日は実家に泊まる予定。私は少し寂しいけれど、ガクくんが家族との時間を取り戻そうとしていることが嬉しい。

 私もガクくんも、これまで見て見ぬふりをしてきたことに、ちゃんと向き合えた。
 でも、これがゴールじゃない。これからは自立した大人として、どう生きていくかがより問われるのだと思う。
 
 そう考えると、やる気が湧いてくるわ。ひとりの時間を寂しいなんて思う暇はない。もっともっと、勉強しなくちゃ。

 いつもガクくんが整理してくれている書斎で経済や経営の本を読み漁ったり、海外情勢を調べたり、作り置きしてくれた料理をいただいたりして、彼の帰りを待った。

 そして翌日のお昼過ぎ。スーツケースと大きな紙袋を抱えて、ガクくんが帰宅した。
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