ワケありニートな年下ワンコを飼いました
 ふたりでたくさん泣いて、怒って、笑いたい。すべての感情を共有したい。ガクくんは、そのままの私でいられる、ただひとりの人だから。

「これからもずっと、彩女さんにごはんを作り続けますね」
「ありがとう、嬉しい」
「おじいちゃんとおばあちゃんになっても、ずっとです」
「うん、ずっとよ」

 まるでプロポーズね。だけど、ずっと一緒にいることが、必ずしも結婚に結びつくとは限らない。
 ガクくんと結婚して子どもを授かる。確かに、そういう道もあると思う。ただ私の幸せは、仕事なしには考えられないの。

 彼の手料理を食べて、たくさん抱き合って、また仕事に全力を注ぐ。私の願いは、こんな毎日がずっと続くこと。それから、自分も周りも満たされて幸せになれるような会社を作ること。

 立ち止まっている暇なんてない。体が動く限り、走り続けなくちゃ。

「じゃあ、いってきます」
「いってらっしゃーい」

 ガクくんの笑顔に見送られて、仕事へ出かける。そしてまた「おかえりなさい」と言ってもらうために、今日一日を精一杯生きるの。

「そうだ。今日の夕ごはんは、ロールキャベツですからねー」
「はぁーい。早く帰るわね!」

 上條彩女、もうすぐ31歳。おひとりさま人生から一転、ちょっとワケありな年下ワンコを拾ったら、かけがえのない大切なパートナーができました。


ワケありニートな年下ワンコを飼いました・完
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