ワケありニートな年下ワンコを飼いました
「しょうがないですね。それじゃ明日、一緒に買い物へ行きましょう」

 そう言いながら、リビングのソファに寝転がるガクくん。もう完全に自分の家という感じね。

「このソファ、寝心地いいなぁ……って、そうだ。僕、彩女さんと一緒に寝ていいんですよね?」

 ……そうだった。ガクくんの部屋というか、彼がどこで寝るのか、まったく考えていなかった。
 一緒に寝るって、つまりそういうことよね。当たり前よね。

「……ち、ちょっと、考えさせて」
「えー、そっちから誘ってきたくせにぃ」
「そ、それは」
「彩女さんも、セックスしたいんでしょ?」

 そこまでストレートに言われると、言葉に詰まる。

 正直に言うと、そういうことを期待していないわけではない。ガクくんに触られるのは、すごく気持ちよかったから。

 仕事が忙しすぎたのもあるけれど、パートナーがいなかったこの4年間、性的欲求なんて湧いてこなかったのに。人間とは浅ましいものだと、つくづく思う。

 だけど、本当に一線を超えていいのかなという気持ちがあるのも本音。

「な、なんていうか……まだ、覚悟が」
「そっか。じゃあ僕は、寝袋で寝ますから」
「……ねぇ。私、30歳なのよ? それでもガクくんは、その……し、したいの?」
「当たり前じゃないですか。まさか、僕に下心がないとか思っていませんよね?」

 当然という表情のガクくん。とても素直でよろしいのだけれど、彼は初めてなのに、相手が私みたいなおばさんでいいのかと心配になってしまう。
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