ワケありニートな年下ワンコを飼いました
 ちなみに今日の服は、襟元にレースがあしらわれた白いブラウスとベージュのツイードパンツに、ネイビーのテーラードジャケット。バッチリ、雑誌の通りです。

「その雑誌が働く女性向けだから、いつもこんな風になっちゃって。本当はもっとカジュアルな格好もしてみたいけど、これに慣れちゃったから勇気が出ないのよ」
「えー、かっわいいー」

 ガクくんがシートから体を起こして、身を乗り出すように私の顔を覗き込む。

「じゃあ、僕がコーディネートしてあげましょうか。彩女さんの、カジュアルファッション」
「え? ガクくんが?」
「僕と彩女さんって、サイズがあんまり変わらないでしょ。ユニセックスなものを選べばシェアできるし、経済的じゃないですか。だから、僕にも彩女さんにも似合うファッションを見繕いますよ」

 洋服をシェア……できてしまうのよね。やっぱり少しだけ複雑。

 それより、20代前半の男の子と同じファッションって、大丈夫かしら。痛いおばさんにならない?
 でもガクくんの服は必要だし、ダサい私が選ぶのは無理だから、とりあえずお任せしよう。

「服以外には、なにか必要なものはある? たとえば収納とか」
「そうだなぁ……パソコン用のテーブルは欲しいかな」
「テーブル? デスクじゃなくて?」
「はい。簡素なものでいいです。ちゃんとしたデスクは、高いでしょ」
「まぁ、そうだけど……」

 もしかしてガクくんは、お金のことを気にしているのかしら。洋服もシェアするとか言うし。
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