ワケありニートな年下ワンコを飼いました
「ガクくん。お金のことなら、気にしなくていいんだからね。必要なものをそろえるのは、飼い主の務めだもの」
「でも、どれくらい住むか分からないし……無駄になっちゃうかもしれないじゃないですか」

 あら、しおらしい。昨晩お肉をねだった子と、本当に同一人物なのかしら。
 
「そのときは、そのときよ。もし少しの間であっても、ガクくんが使ってくれるのなら、無駄にはならないでしょう? それに私、お金には余裕があるの。だから心配しないで」

 家事をすべてお任せするんだもの。必要なものくらいは買ってあげたい。マスターには、甘やかすなって怒られるかもしれないけれど。

 でもガクくんは、決してワガママな子ではないと思う。ただ、心から甘えられる人を求めているだけじゃないかな。

「あの……じゃあ、パソコン用のデスクと椅子を……買ってもいいですか?」

 少しモジモジしながら、ガクくんが言った。うう、かわいい。

「もちろん。必要なんでしょ?」
「欲しいです。結構、パソコンを使うので。でも、そんなに高いやつはいらないですよ。あ、椅子は……ゲーミングチェアがいいんですけど……」
「椅子は大事だものね。ちゃんとしたものを選ばないと」
「はい」

 あ、嬉しそう。こういう表情を見ると、やっぱりなんでもしてあげたくなる。
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