ワケありニートな年下ワンコを飼いました
 というわけで、大きな家具屋があるショッピングモールに着いて、まずはガクくんの机と椅子を探すことにした。

「あ、これがいいです」

 さほど時間をかけず店内を見て回ったあと、ガクくんは、スチールフレームでラックつきのシンプルな机を指さした。値札を見たら、6000円ほど。

「こんなに安いものでいいの? しかもこれ、自分で組み立てるのよね」
「そうですよ、完成品は高いじゃないですか。パパっと組み立てられるから、問題ありません」

 私は不器用だから、いままで一度も組み立ての家具を買ったことがない。絶対に違うものが完成してしまうもの。だけどガクくんはきっと、簡単に組み立ててしまうんだろうな。

「欲しい椅子がちょっと高めなので、机は安いものでいいんです」
「高めって、どのくらい?」
「……2万、くらいかな」
「え、そんなもの? てっきり10万くらいかと」

 私の言葉に、遠慮気味に金額を言ったその表情が、今度は呆れ顔に変わる。
 
「……これだから高給取りは。椅子に2万って、僕にとっては高価ですよ」
「だって、人間工学に基づいた椅子だと、それくらいしない?」
「そんな、めちゃくちゃいいものじゃなくていいんですって。そこそこの値段で、そこそこの満足が得られたら、僕は十分です」

 これは遠慮? それとも、ガクくんの価値観なのかしら。
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