ワケありニートな年下ワンコを飼いました
「彩女さんはスラッとしているのに、こんなダボダボコンビじゃ、よさが消えちゃいます。だからそのパーカーを着るなら、ボトムスはこういうのがいいです。で、バギーパンツにはこれです」

 ガクくんが、手に持っていた細身のブルージーンズと、くすんだローズ色のショート丈ニットを差し出した。

「いつの間に探してきたの?」
「彩女さんが、もたもた試着しているから。まぁこれは無難なコーデだし、もう少し派手なカラーパンツとかでもいいんですけど。試着室への持ち込みが4着までなので、とりあえずこれだけ持ってきました。はい、着てみてください」

 促されて、もう一度カーテンを閉める。
 
 ……あれ。今日って、ガクくんの必要なものを買うのが目的じゃなかったっけ。どうして、私のカジュアルコーデを探しているのよ。

 と思いつつも、実はかなり楽しかった。こんな風に誰かと買い物をするのは、とても久しぶりだし。

 ううん。きっと、一緒にいるのがガクくんだから楽しいんだわ。
 彼にはもう私の本性がバレてしまったし、なにも気を遣わなくていいから気楽なんだもの。

「ほらぁ、めちゃくちゃいいでしょ!」

 ガクくん推薦のコーディネートを試着すると、キラキラした瞳で言われた。少し違う自分になれたみたいで、なんだかくすぐったくて嬉しい。
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