ワケありニートな年下ワンコを飼いました
「部下との面談もいくつか入っているから、いっそのこと年末年始に長期休暇を取ろうかなと思って」
「でも、残業するほど忙しくはないでしょ? 久しぶりに、今夜飲みに行かない? 金曜日だしさ」

 そういえばお互いに忙しくて、最近まったく飲みに行けなかったわ。ガクくんはMISTEROの手伝いがあって夕食はひとりだし、行こうかな。

「そうね、行こうか」
凌也(りょうや)も誘ってみるね。今日は社内にいたし、3人揃うのって滅多にないもん。またあとで連絡するよ」
「うん。ありがとう、凛子」

 パタパタと、凛子が休憩室を出ていった。
 凌也――西川凌也も、同期のひとり。と言っても、私がアメリカから帰国して入社したのは、ふたりより2か月ほど遅れていたんだけど。

 大学の卒業式が5月で、そこから向こうの会社に就職する準備をしていたところに母が倒れ、バタバタと帰国することになってしまったから。

 2か月もすれば、新卒でもそれなりに慣れてきて、少し余裕が出てくる。そんな中ひとりだけ出遅れて孤独だった私に、凛子と凌也はとても親切にしてくれた。

 そして、あっという間に意気投合。仕事帰りに食事をしたり休みの日にも遊んだり、同期というよりも気心の知れた友人になっていった。

 それぞれ転勤や出張もあって、だんだんと3人で遊ぶことは減っていたから、集まるのは本当に久しぶりだわ。
 よし、午後の仕事も頑張って、早く片付けなくちゃ。
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