ワケありニートな年下ワンコを飼いました
 と、その前に。ガクくんへ連絡しておこう。きっと、夕食を作り置きしてくれるはずだし。
 LINEで……と思ったけれど、やっぱり声が聞きたいから、電話にした。

「はいはーい、どうしたんですかー?」

 あぁ、癒されるなぁ。高すぎず低すぎず耳障りのいいガクくんの声は、ずっと聞いていられる。
 出会ってまだ1週間しか経っていないけれど、素の顔がバレていることもあって、一番気を許せる相手になっているし。

「あのね、今日は仕事が終わったら、同僚と食事に行くから」
「夕ごはん、いらないんですね。了解でーす」
「あと……お弁当、今日も全部美味しかったよ。特に、卵焼きの味つけが最高」

 ガクくんがとても喜んでくれるから、料理の感想は、できるだけ伝えるようにしている。
 もちろん、ダメ出しなんてしない。料理ができない私は偉そうに言えないし、そもそも文句のつけようがないくらい、全部美味しいから。
 
「よかったぁ。お弁当って、できたてを食べるわけじゃないから、いろいろ工夫が必要なんですよねー。食べたいおかずがあれば、言ってくださいね。彩女さんの好きなものを、いーっぱい詰め込みますから」

 本当に、健気で献身的だな。どうやら彼は、誰かに尽くすのが好きみたい。だから私は、感謝をきちんと伝えないとね。
< 57 / 278 >

この作品をシェア

pagetop