nonsense magic
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ふわふわと湯気がのぼった"それ"を差し出せば、彼の無表情だったそれが微かに緩んだ気がして、すこし擽ったい気持ちになる。
思ったよりも、このひとの表情はころころと変わる。
「おかゆ、食べられますか……?」
不安げな声で尋ねれば、こくんと頷かれてほっとする。
なにかお腹に入れるものを、と、おかゆを作ったのはいいけど。
作り終わったあとで、きりくんがおかゆを食べられるのかを聞くのを忘れたことに気づいて、すこし不安だった。
「……いー匂い」
すん、とおかゆに鼻を寄せたきりくんが目元をゆるめる。
おかゆを乗せたトレーをベッドの横のテーブルに置くと、ベッドからおりてきたきりくんが、いただきます、と手を合わせた。
「め、めしあがれ……」
…やっぱり、動作ひとつひとつがちゃんとしている、というか、品がある。
そんなことを考えながら、どきどきときりくんの方に視線を向ける。