冷徹無慈悲なCEOは新妻にご執心~この度、夫婦になりました。ただし、お仕事として!~
お手洗いからの帰り道。すっかり落ち込んで、うつむきがちに歩いているとワインレッドのパンプスが視界に入る。
「こんにちは、咲穂さん」
かけられた声に顔をあげれば、そこに梨花がいた。オフホワイトのスーツに身を包んだ社内一の美女は、今日もあでやかだ。
「――梨花さん、おつかれさまです」
潤の妻である彼女。塔子にべったりで咲穂のことは最初からずっと敵視している。楽しい話をしに来てくれたとは思えなくて、咲穂は警戒の気持ちを強めた。
「ちょっと、いいかしら?」
お手洗いの横にあった、給湯スペースに梨花は咲穂を誘導する。
「リベタスのCM、すごく評判がいいようね。咲穂さんが綺麗って声も多いと聞いたわ」
好意的な台詞とは裏腹に、梨花の目はものすごく険しい。彼女の内心の焦りとイラ立ちが伝わってくるようだ。
「ありがとうございます。すべて美津谷CEOの功績ですが……」
咲穂の言葉に彼女はフンと鼻で笑った。
「まぁ、一丁前に妻気取り?」
胸の前で腕を組み、ハイヒールをカツンと鳴らして咲穂との距離を詰める。
「身の程をわきまえろと助言してあげたこと、もう忘れちゃったのかしら。櫂さんが本当に自分のことを好きだとでも思っているの?」
いつもの咲穂なら、この程度の意地悪は軽く流せたと思う。でも、ゆうべのことがあるから梨花の言葉がグサリと刺さる。
(梨花さんは私を挑発したいだけ。それにのったら、ダメよ)
「……ご忠告ありがとうございます」
毅然と告げたかったのに、強がっているのがバレバレの声が出てしまった。梨花はものすごく嬉しそうに、なおも言葉を重ねる。
「こんにちは、咲穂さん」
かけられた声に顔をあげれば、そこに梨花がいた。オフホワイトのスーツに身を包んだ社内一の美女は、今日もあでやかだ。
「――梨花さん、おつかれさまです」
潤の妻である彼女。塔子にべったりで咲穂のことは最初からずっと敵視している。楽しい話をしに来てくれたとは思えなくて、咲穂は警戒の気持ちを強めた。
「ちょっと、いいかしら?」
お手洗いの横にあった、給湯スペースに梨花は咲穂を誘導する。
「リベタスのCM、すごく評判がいいようね。咲穂さんが綺麗って声も多いと聞いたわ」
好意的な台詞とは裏腹に、梨花の目はものすごく険しい。彼女の内心の焦りとイラ立ちが伝わってくるようだ。
「ありがとうございます。すべて美津谷CEOの功績ですが……」
咲穂の言葉に彼女はフンと鼻で笑った。
「まぁ、一丁前に妻気取り?」
胸の前で腕を組み、ハイヒールをカツンと鳴らして咲穂との距離を詰める。
「身の程をわきまえろと助言してあげたこと、もう忘れちゃったのかしら。櫂さんが本当に自分のことを好きだとでも思っているの?」
いつもの咲穂なら、この程度の意地悪は軽く流せたと思う。でも、ゆうべのことがあるから梨花の言葉がグサリと刺さる。
(梨花さんは私を挑発したいだけ。それにのったら、ダメよ)
「……ご忠告ありがとうございます」
毅然と告げたかったのに、強がっているのがバレバレの声が出てしまった。梨花はものすごく嬉しそうに、なおも言葉を重ねる。