Sana ∞ Ayato
天使
セフレ関係
「帰る」
シーツが乱れた自分の部屋のベッドの隅っこ。天使のような顔をした金髪碧眼の美少女がツンっと澄ました顔で俺に背中を向ける。
今まで散々、俺とやることやってイチャついてたのに。さっさと服に手を伸ばして鬼みたいに冷たい。毎度のことながら終わった後はあっさりしてる。
「まだ帰るなって」
「どうして?もう用は済んだでしょう」
「済んでねーし。勝手に終わらすなよ」
心に虚しさが広がって堪らずその身体を腕の中に閉じ込める。見知ったシャンプーの匂いがして何か無性にムラついた。
このままもう1回って流れに持ち込んだとして、そこからどうやって朝まで引き止めるかって計算。今は夜9時になったところだし。ここから2時間くらい立てば今日はもう帰らないはず……と企み、項にキスを落とす。
そしたらみぞおちに肘鉄を入れられた。ガッツリ、グハッと。おい、コラ。ふざけんな!普通ならもっとこう甘い雰囲気になるはずだろ!とツッコミたいが、我慢だ。言ったら間違いなく喧嘩になる。
「……最近、扱いが酷すぎね?」
「気の所為ヨ」
いけしゃあしゃあと片言で嘘をぶっこくこの女の名前は野崎サナ。アメリカ人と日本人のハーフで俺、成宮アヤトと同じ高校1年生だ。
劣性遺伝なんて言葉を吹き飛ばして見た目が日本人離れしているこいつは、そのことを気にしているみたいで時々、鏡を見ては溜め息を吐いてる。
可愛い、綺麗ってメチャクチャモテてるのに本人はコンプレックスに感じてるらしい。そこに興味を持たれ過ぎてうんざりしてるのに近いんだろうけど。
それを知ってるのは元カレだった俺くらい。今サナは俺の彼女じゃないから。ただの友達。同級生。そしてセフレ。ついでに言えば俺の好きな女でもある。
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