Sana ∞ Ayato
「そんな急いで帰んなくてもいいだろ」
「だって他に用もないでしょう」
「あるある。俺、まだ満足してねーし」
「自重しなさい」
「だーめ。もう1回」
本心のようで本心じゃない言葉を吐き、サナの腕を掴んでそのままポイッとベッドに押し倒す。軽く抵抗されたけど、押さえ込むように跨ればサナはちょっとだけ恥ずかしそうに目を細めた。
うん。こうなったら、こっちのもんだ。終わるまでは、ずっと俺のターン。まだ一緒に居れると思ったら嬉しくて笑みが零れ落ちて止まらない。唇を重ねれば、ちょっとした独占欲に包まれる。
「……皆、そんなにしないって言ってた」
「そっか。俺は何回もしたい派だからゴメン」
「ほんとバカなんだから」
大人しく抵抗をやめたサナを組み敷いて薄く笑う。
しょうがねーじゃん。カラダは1回で満足するけど、心が満足出来ねーんだよ。何か理由がねーと、お前すぐ帰ろうとするんだから。
カラダを重ねったって心を埋め尽くすのは少しの征服感と虚無感だけ。“したい”って本心とは一文字違うだけのそれ。本当はただ一緒に“居たい”だけのくせに。
そうやって理由をつけなきゃ引き止められない関係がもどかしい。誰か助けてくれよと思う。
自分が先にそれを求めたくせに。