Sana ∞ Ayato
「俺はキスでも強請ってんのかと……」
「そんなわけないでしょう!目の色がいつもと違うと思って見てただけヨ」
「は?目の色?」
「いつもより明るくない?」
そうマジマジと顔を覗き込まれてちょっと照れる。近いつーの。しかし、コッチは照れてんのにサナは真剣。真面目な顔で観察してる。
そういや今日カラコンを付けてたっけ。ブラウンの。誰も気付かなかったのに意外と鋭い。ってかなんだよ。それを見てただけかよ。つまんねー。
「カラコンだよ」
「いいわネ。私もつけようかしら」
「なんで?付ける必要ねーじゃん」
「だって青いじゃない」
「だから?黒があるなら青もあるし、茶色もあれば緑もあるだろ。瞳の色なんて」
それの何が問題?と首を傾げるとサナは面食らった顔をした。目を見開いて驚いてる。
いやいや。何をそんな驚いてんだ。
「変わってると思わないの?」
「どこが?普通だと思うけど」
「本当に?」
「本気で。1番サナに似合ってるし、綺麗だと思う。髪もさ」
素直に思ったことを言ったらサナは膝を抱えて俯いた。『あっそう』って。だけどまぁ、顔を覗いたら真っ赤で。意識されてると気付いてドキっとしてしまう。
普段なら『やーい!照れてやんの』っておちょくるところなんだけどな。今は無理だ。だって何かやばい。他の誰にも見せたくないと思ってしまった。
独り占めしたい……って何だこれ。どうしちゃったんだよ、俺。相手はあのサナだぞ?しかし、消せない感情が確かに心に生まれてる。
「なぁ、サナさん。束縛する男についてどう思う?」
「さん、って何ヨ」
「いいから。どう思う?」
「別にいいんじゃない?嫌いじゃないわ」
サッパリした声で答えられて淡い期待。だったら彼女にしちゃう?そうすりゃ束縛出来る?だって、ただ友達じゃ絶対無理だもんなって頭の中で計算。
そうやってこいつとの関係がこの日から少しズレたのだった。見えないところで少しずつ。


