白雪姫は寵愛されている【完】
「チッ…うるせぇぞ。いいからさっさと始めるぞ」
一番奥、ソファの真ん中に座る緑髪の男。
両脇には金髪の女性が二人。
「白藤、ここからは俺と外で待とう」
耳元で小さく言う颯太くんに私も小さく頷いた。
「あ゛?なんだこの女」
───────ビクッ、
緑の人が見てくる。
「俺達のツレです。ここからは関係ないっすから外で待ってるんで」
颯太くんが私の前に出てくれた。
「あ?女?」
ソファに座っていた男が立ち上がり、私の方に歩いてきた。
それを阻止するように仁くんと難波先輩が止めた。
「お前には関係ねぇだろ。いいから始めるぞ」
「そんなもんより、重要だろ。お前らが女連れてくる方がな?」
男の人の視線が刺さる。
「は?なんだ、この女。いい女どころか、それ以下じゃねーか。こんなの傍に置いとくとか馬鹿じゃねーの?
それともなにか?
性欲処理としてはいい女ってか?」
カッカッカ、と笑う男。
その男の肩を仁くんが掴む。
「俺に喧嘩売ってんのか?」
遠くにいるのに聞こえる、握り絞めるような音。
「ッ…ムキになんなよ、」
男はそう言って、仁くんの手を払った。
「あ゛?…久我、お前女嫌いじゃねーのかよ」
今度は別の人。青色の髪が特徴的な男。
「お前には関係ありませんよ」
昨日の昴くんみたい。怒ってる。
青色の人が昴くんに近づく。