白雪姫は寵愛されている【完】
男の人に囲まれている美雪ちゃんは何度も謝りながら地面に頭を擦り付けていた。
「覚えてる?昔白雪を虐めた奴ね。名前は…何だったかな」
見ていられないほどの様子に私は顔を背けた。
口元を抑え、あまりの酷さに言葉が出ない。
「………っ、…なに…をしたの…」
こんな…酷い事…。
「ああ、これはね。罰だよ」
美雪ちゃんが私に怯えていたあの日の事を言っているのだろうか。もしあの日より前に朔也くんが、美雪ちゃんに同じような酷い事をしていたとしたら…、
「俺の白雪を泣かしてトラウマを植え付けた張本人。コイツに出会ってから白雪の元気がなくなって来たんだ。だから…コイツにも同じようにトラウマを与えたんだよ。
白雪が感じた倍のトラウマと絶望をね」
──────怯えていた理由が分かった気がする。
朔也くんは笑って話している。どうしてそんな顔で話せるのか私には全く分からない。
「それと、これは大分前のだけど…、」
スクロールした次に現れたのは私のお風呂に入っている写真。
「……っ、!!」
「あっ!…ごめん間違い」
朔也くんは焦ったようにスマホ高く上げ何かを探していた。
そして見つけたのだろう、私にその画面を見せる。
「……え、?」
中学時代、美雪ちゃんが好きだった和也くんが映っていた。