白雪姫は寵愛されている【完】
────────時間は過ぎて夕飯時。
「白雪、もう一回頑張ろうか」
「…っ、はぁ…んっ」
何度も重なる唇は、今日1日で何度したのか分からない。
歯磨き後や掃除の際中、料理中の現在も…全部朔也くんのタイミングだった。
味噌汁が沸騰する音が聞こえる。
胸板を叩き、何度もそれを知らせるが、朔也くんは一向に避けようとしなかった。
「っ…はっ…ケホ…」
…息できなくて頭が痛い。
何度やっても慣れそうにない。
「まだ慣れない?」
「………味噌汁…」
「あっ、やばいやばい」
吹き出しそうになった瞬間に火を止めた。
「味噌汁が冷めるまでもう一回」
「ま…ってくださ…、んっ…!」
…もう、嫌…やめて。
思わず舌を噛んでしまった。
血の味がしてようやく朔也くんが離れる。
「──────ッ、駄目だろ白雪」
もう…十分しました。沢山した。もうしたくない…。
これ以上──────、
仁くんとのキスを忘れたくない。
「ご…めん…なさい…。ご、めんなさ…」
私が朔也くんを拒絶したらどうなるか…分かっているはずなのに。どうして私は歯向かうんだろう。
また電話すると言われたら…?
…朱雀の皆さんを守るって決めたのに。
「…分かった。今日はもう終わりにしよっか」
………いいの?
「急かさないって言ったのにね…ごめん。白雪とキスしていいって思ったら止まらなくなっちゃったんだ。ごめんね」
私は左右に首を振った。