白雪姫は寵愛されている【完】
……っ、電話ずっと鳴ってる。
「……ずっと鳴ってるよ?」
離れたくて話題を変えようとする。
だけど朔也くんを刺激しないように注意しながら。
「ん?あー…白雪が寝たら出るよ」
「い…急ぎなんじゃないかな…?」
鳴り止まない音と何度も点滅する光。
バイブ音でテーブルが揺れている。
「もしかしてうるさくて寝れない?」
朔也くんはそう言うと、携帯をマナーモードにした。
バイブ音は鳴っているいるが自分のポケットへと入れた。
「これで大丈夫?」
「………う、うん。ありがとう」
本当は早く電話に出て、家を出て言って欲しい。だけど出る気配が全く無い。
……私が寝るまで本当に待つつもりなんだ。
家で何をしているか分からないから…。
「私…そろそろ寝ますね。朔也くんは…?」
「白雪が寝るまでここにいるよ。大丈夫」
朔也くんが居なくなると思って言ったと思っているのだろうか。朔也くんは微笑み、頭を撫でた。
「おやすみ、白雪」
「お、おやすみなさい」
私はゆっくりと目を閉じた。