白雪姫は寵愛されている【完】
「黙れ!!!」
大きな声がして吃驚した。
朔也くんが私に向かい手を伸ばす。
「俺の方が好きだ。好きに決まってる。そうだろ?白雪。ほら早くおいで。これ以上怒らせないでくれ」
私は…、
「朱雀の奴等がどうなってもいいの?」
っ…それは、
「心配するな。あいつ等は弱くない」
…じん、くん。
難波先輩も昴くんも颯太くんも…きっと大丈夫。
朔也くんは頭を掻きむしり何度も私の事を呼ぶ。殺気の籠った声で呼ばれるのは初めてで、怖くて震えてしまう。
「お前と千雪は兄妹なんだろ」
「…だから?兄妹同士出来ないのは結婚出来ない事と、子供を産めない事ぐらいだろ?それ以外なら何したっていい。キスもセックスだって出来る…そうだろ?」
「千雪にその気が無いみたいだが?」
「──────だから?」
驚く仁くんに構わず話を続ける。
「本当は同意が良いさ。本音はな?でも…どうやら無理そうだしな。それなら無理矢理にでも俺の物にするしかないだろ?
ああ…そうか。先に既成事実を作ればいいのか!
白雪は優しい子だから、その後はお前と会う事を拒否するだろうな。
そうしたら、必然的に俺が一番になる。そうしよう!これなら白雪は永遠に俺だけの物になる」
「お前…千雪をなんだと思ってんだ?」
力強く拳を握った。
凄く怒ってるんだ。