白雪姫は寵愛されている【完】
「千雪が怖がる…」
「そうなったのは、お前の無自覚が原因だよな?」
「………一理ある」
「あ、あの…大丈夫ですから…」
八神先輩が少し可愛そうに思えてきた。
だって、難波先輩が凄く怒ってるから。八神先輩でも怖いと感じるんですね…私だけじゃなくて良かったです。
────ドタドタ!
廊下を騒がしく走る音がした。
そして盛大に開いたであろう保健室のドア。吃驚する私と、同時に振り返る先輩達。
カーテンが勢いよく開いた。
ブチブチと音を立てながら。
「仁さん!慶さん!白藤が───────…ってあれ?」
破れた、というより引き千切られたカーテンと、薄オレンジ髪の男の人。この人も可愛いとかっこいいを合わせたようなイケメンさんだった。
息を切らしていて余程焦っている様子。
「よ…よかったぁぁぁ!!」
叫ぶ男の人は、その場にしゃがみ込む。
私は知らない人なのに…どうして、名前を知ってるの…?
最近はよく見知らぬ人と出会う。そして…何故か名前を知られているという事実。
「…随分遅かったな?颯太」