誓約付き!?期間限定の同居生活~不仲なはずの狼系ドクターは、義妹を寵愛する
朝出勤をすると、すれ違う人に、
「藤里さん、おはようございます」
「おはよう、藤里さん」
と、病院ではまだ殆どの人に、旧姓で呼ばれている。
「おはようございます」
平常心で挨拶するけど、気持ちが重くて、笑顔が引き攣る。

仕事が始まっても、集中出来ない・・・
「藤里さん・・・どうしたの?目が腫れて、顔色が悪いけど・・・」
主任が心配して、声をかけてきた。
「すみません、体調があまり良くなくて」
「無理しちゃダメよ」
仕事に私情を挟むのは、ダメなのは分かってるけど、あまりのショックに集中出来ない。

同じ勤務先だと、こういう時は困る。天真先生に会うだけじゃ無く、浮気相手とも顔を合わせるんだから・・・
今日は、体調が悪いからと、事務室から出ないようにしょう。そうすれば、会わずに家に帰って、そのまま実家に行ける。

「失礼します。彼女、ちょっとお借りしますね」
聞き覚えのある声の方を見ると、主任に声をかけていたのは・・・

「はい、どうぞごゆっくり。藤里さん!天真先生よ」
「あの、私、この仕事、済ませないと」
パソコンに向かって、忙しそうにしていると、主任が近づいて来て、
「急がないからいいわよ。天真先生がここに来るなんて滅多にないから、よっぽど急なのよ」
ウィンクする主任に促されて、仕方無く先生の後ろについて、事務室を出た。
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