誓約付き!?期間限定の同居生活~不仲なはずの狼系ドクターは、義妹を寵愛する
1時間経ち、もう諦めて帰ったと思い、そっとドアを開けた。
すると、目の前に、腕組みをして壁に寄りかかって立っている先生が、俯いた顔を上げた。

「まだ・・・いたんですか?」
「もちろん。俺と一緒に帰るまで待つよ」
「もうあの家には戻りません。いくら先生のことが好きでも・・・許さないから」
「俺の話も聞かずにか?」
「私はこの目で、この耳で聞いたんです」
「だから誤解だって」
「うそ!子供が出来たじゃない!」
「俺の子だって言ってたか?」
「先生の子供って」
「病院に、どれだけの先生がいるんだよ」

先生の目を見つめると、優しく微笑んでいた。
「俺は美来以外の女は抱かない。愛することも無い。付き合った頃から、ずっと言ってるだろ?」
諭すように話をすると傍に来て、私をギュッと抱きしめて、部屋に入った。

暗い部屋で優しく髪を撫でる手に、涙が溢れる。
「彼女の相手は白波だ」
「白波・・・先生?」
「あぁ・・・白波のことがずっと好きだったみたいでね。美来にフラれた後、元気がない白波を彼女が元気づけていたみたいだ」

頬に零れ落ちる涙を、先生はそっと指で拭った。
「お礼に、彼女の誕生日に食事をご馳走するってことになったらしくて、その後、男女の関係になったって。あとは美来が聞いた通りだ」

言葉を詰まらせて、先生を見ると優しく髪を撫でる。
「誤解は解けたか?」
「うん・・・ごめんなさい」
「いや、許さない。傷ついた俺を慰めて欲しいね」

申し訳ない気持ちで、先生の頬をそっと撫でた。
先生はその手を取って、
「これくらいで、俺の傷ついた心は癒やせない」
手が服の中に忍び込む。
「こ、ここは実家ですから」
「確かに・・・美来の啼き声を聞かせるわけにはいかないか」
「2人にも謝らないと。心配かけたから」
「そうだな。父さんは俺と縁を切る勢いだったからな」
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