誓約付き!?期間限定の同居生活~不仲なはずの狼系ドクターは、義妹を寵愛する
3日が経ち、初めは右手に集中すると、左手が同じように動いてしまっていたけど、ようやく別々で弾けるように、身についてきた。
それでも、あまりにもスローで、1音1音が途切れてしまう。

夜、ヘッドホンをつけてダイニングで練習してると、後ろから大きな両手がロールピアノの上に出て来た。

「先生?えっ!もう、こんな時間なの?」
先生は、優しく微笑むと、そのままピアノを弾き出した。
長い指が滑らかに動き出し、音を奏でる。
「凄い・・・」
弾き終わるまで聞いて、ヘッドフォンを外した。

「先生、上手ですね」
「小さい頃だけど、母さんに教えてもらってね。美来、弾いてみて」
「は、恥ずかしいです」
「俺に照れてどうする。もう日もないぞ?」
「でも・・・」
「さぁ、練習あるのみだ」
それから先生は隣に座り、ゆっくりと教えてくれた。

時々、体温を感じるくらい近づいて、私の心臓は、ピアノよりテンポ良く、弾んでいた。
「美来、そこの左手はこうだ」
そっと伸びる手が、左手に触れた途端、私の体は熱を帯び、もうドキドキで練習どころじゃなくなってきた。

も、もう無理・・・私、何だかおかしい・・・
「あっ、もうこんな時間!せ、先生、ありがとうございます!私、そろそろ自分の部屋に行きますね」
「ほんとだ。楽しくて、時間が過ぎるのが分からなかったなぁ。頑張れよ」
先生は、私の肩にポンッと手を乗せた後、キッチンに向かった。
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