誓約付き!?期間限定の同居生活~不仲なはずの狼系ドクターは、義妹を寵愛する
その言葉に、今まで我慢していた食材とレシピが頭に繰り広がり、固まってしまった。
「美来は、正直者だな。表情だけで、何を考えているか、手に取るように分かる」
「あっ、いえ、決して、高級なお肉を食べたいとかそんなことは・・・」
先生は、フッと笑って、料理をテーブルに並べた。

「さぁ、食べようか」
「はいっ!いただきます!」
もう、匂いだけで美味しいのが分かる。
う~ん!お肉、美味しい!

「美味しいか?いや、美味しいんだな?」
「凄く、美味しいです!」
先生は微笑んだ後、黙って食事をしていた。
料理、凄く美味しい。
何よりも、天真先生と2人で一緒に食べているこの時間が、凄く幸せ。

幸せを噛み締めながら食べ終わると同時に、先生に電話がかかってきた。
「はい・・・・・・他の受け入れ先は?・・・・・・分かった。今から行くよ」
先生の顔つきは、一緒に食事していた時の優しい顔から、一変してドクターの冷静な顔つきになり、纏う空気がピリッとする。

「美来、今から病院に行くよ。片付け頼んでいいか?」
「はい、気をつけてくださいね」
先生は準備をした後、玄関に向かう前に立ち止まって、
「2人で食べると、いつもより美味しいな。行ってくるよ」
優しい微笑みは、矢でハートを射貫かれる少女漫画の主人公のように、私の心に響いた。

先生、その笑顔はズル過ぎるよ・・・
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